日本は「世界第4位の経済大国」といわれていますが、こどもの貧困は深刻な問題となっています。7人に1人のこどもが相対的貧困状態にあり、特にひとり親家庭では2人に1人が貧困に直面しています。
このような家庭では、当たり前の生活環境や教育の機会、体験などが十分に得られていません。また、食品ロスが問題視されている時代にも関わらず、経済的な理由で一日の食事を学校給食だけで済ませているこどもがいます。特に春・夏・冬休み等の学校給食のない長期休業期間には食生活が一層深刻化し、こどもたちの健康や生活リズムに悪影響を与え、集中力が低下し、学力に遅れが生じることがあります。
さらに貧困家庭のこどもは、塾等の学習支援を受けることが難しく、学校の授業についていけなくなり、進学を諦めたり、進学を希望していても経済的な理由で学費が払えず進学のチャンスを逃すことが、将来の職業の選択肢を狭め、貧困の連鎖を生む原因となります。
そして貧困家庭のこどもたちは、家族旅行や外出をすることが少なく、他のこどもたちと比較して「体験の格差」を感じることも多いです。このような経験の不足が、自尊心や自己肯定感の低下を招き、学校生活や人間関係にも悪影響を与えます。
このように貧困は、食生活・教育・体験等多方面にわたりこどもたちに深刻な影響を与え、社会全体で格差を広げる原因となります。こどもの貧困は家庭だけの問題ではなく、社会全体で解決すべき課題です。未来を担うこどもたちが生まれ育った環境や格差社会によって可能性を閉ざさせることなく、平等な機会を得て希望を持って健やかに成長できるよう、私たち一人ひとりが関心を持ち、行動することが重要です。
